砥粒入りナイロン(グリッド)並びに新ブラシ素材のご紹介

グリッド素材のブラシ製品

砥粒入りナイロン(グリッド)のご紹介

こちらをご覧の方で、ご存知の方も多いかもしれませんが、改めて砥粒入りナイロン(グリッド)(以下・グリッドと表現します)のブラシ素材をご紹介いたします。
そもそも、このグリッドという素材は研磨剤をナイロンに練りこんで作られたブラシ素材のことを言います。
一般的に工業用に用いられるグリッドには2種類ありまして、1つ目が「酸化アルミナ(アルミニウムオキシド)」・2つ目が「炭化ケイ素(シリコンカーバイト)」となります。
特徴として酸化アルミナの方は薄いピンク色をしており、炭化ケイ素の方は色はグレーがかっています。
用途としてはもちろん双方とも研磨を主としており、金属はもちろん、樹脂や木材等の研磨に使用されております。
その中には金属片のバリ取りも含まれており、多くの方の使用用途がこのバリ取りとなっているようです。
この2つの使い分けとして、一般的には酸化アルミナの方がやさしく滑らかな仕上がりになり、炭化ケイ素の方は研削力に優れているといわれています。
炭化ケイ素はどちらかというと荒々しい仕上がりになることもあります。
また、その研磨力を表す数値として「粒度」という単位を使っており、種類とメーカーによりますが36番手から3000番手程度まで粒子の細かさをもって研磨力を調整する仕組みとなっており、番手が小さければ荒い粒子、また、番手が大きければ細かな粒子を用いていることになります。
もちろん、番手が小さければ研磨力は上がりますが、仕上がりは荒くなり、また番手が小さければ研磨力は落ちますがより滑らかな仕上がりになります。
線形に関しても各メーカーごとで提供できるタイプが異なりますので、グリッド素材でのブラシ製作をご検討の方は、一度お問い合わせすることをお勧めします。

新ブラシ素材のご紹介

工業用のブラシに用いられるブラシ素材はナイロンやPP・PVC、またはワイヤー線・ステンレス線・グリッドとほぼほぼラインナップは変わっておりませんが、そんな中でも新しい素材を使ったブラシ素材の研究や開発も進んでおり、よりお客様のご要望にお応えできる環境が整いつつあるようです。
今回は2種類の新素材をご紹介します。

火山岩を使ったブラシ素材

名前の通り火山岩を引っ張り、ブラシ素材に加工したものとなります。もともとは石ですから高温に晒しても融解することが少なく、また研削力が非常に優れていると言われます。火山岩を用いているため静電気も起こりにくく、まだまだ開発段階ですが使用用途は様々だと思われます。
もしかすると近い将来、表面研磨の現場では主力になりうる素材です。

火山岩を使ったブラシ素材

火山岩を使ったブラシ素材

ガラス繊維を用いたブラシ素材

ガラス繊維は非常に硬く、こちらも研磨力に優れているとされています。ただしガラス素材をそのままブラシ素材に加工することは非常に難しく、今までなかなか実現しなかった加工技術だと言われます。しかし、直接ブラシ素材としてではなく、組紐状に加工することでブラシ素材として用いることが可能になりました。もちろんガラス繊維ですから、同じガラスを磨くことには優れていますし、非常に燃えにくいという特性を持っています。
まだまだ使用用途は無限大ではないでしょうか。
ただ、まだまだ加工技術を上げる研究は進んでおり、違った形でのご提供も可能になってくるかもしれません。

ガラス繊維を使ったブラシ素材

ガラス繊維を使ったブラシ素材

以上、二つの新素材は線形や形状に制限があるため、今すぐブラシとしてのご提供は難しいかもしれませんが、今後に期待がもたれる素材となっているため、興味のある方にはサンプルをお見せすることも可能ですし、ご相談いただければもっと深いお話を差し上げることもできます。