どんなブラシ素材がいいの?
以前、化学繊維のブラシ素材の選定基準についてご紹介をしました。
今回は、化学繊維に次いで需要の高い、動物毛の選定基準についてご説明します。
当社で扱っている動物毛は「豚毛」「馬毛」「山羊毛」の3種類となっております。
その他に関しては別途お問い合わせください。
化学繊維との比較
そもそも化学繊維がブラシの素材として扱われるようになったのはごく最近のことです。化学繊維が扱われる前は動物毛や植物毛をブラシの素材として使用するのが主でした。
そこに石油由来の化学繊維が発明され、一番のメリットである「腐らない」という点が評価され、衛生面から化学繊維に移行するようになりました。
動物毛と比較して化学繊維は耐久性に優れ、価格が安いことが大きな利点となっています。
動物毛は自然物、化学繊維は非自然物となり、万が一使用の際に脱毛してしまった場合、自然物である動物毛は、腐って自然に還りますが、非自然物である化学繊維は自然に還ることがないというデメリットがあり、土に触れる農作業等に使用するブラシでは比較的動物毛が好まれる傾向にあります。
比較-耐熱性
耐熱において比較してみると、化学繊維は特殊なものでない限り、約100度前後が耐熱温度となっています。
動物毛に関しては、約130度前後まで耐えることが可能となっております。ただし、使用環境によっては異なる場合がありますので、ご注意ください。
比較-耐薬品性
化学繊維は種類によって耐薬品性が異なります。耐薬品性については、当社ホームページの「ブラシ素材」の項目をご覧ください。
一方、動物毛については、酸やアルカリに弱く、老化現象を起こす傾向があります。
比較-柔軟性
動物毛は化学繊維と比較して、柔軟性や弾力性が強く、あたりがソフトです。また、静電気も起こりにくいのが特徴となっています。
比較-線径
化学繊維においては、0.1mm単位で線径を選択することが可能です。しかし動物毛においては、天然繊維のため、線径は不揃いとなります。大まかに線径の太い順に並べてみると、「豚毛」「馬毛」「山羊毛」となり、特に山羊毛に関しては毛自体が柔らかいため、製品にしたときに、非常にソフトな仕上がりとなります。
各動物毛の比較
比較-耐久性
耐久性の優れている順に並べてみると、「豚毛」「馬毛」「山羊毛」となります。
特に豚毛は硬いので耐久性は抜群です。
比較-長さ
馬毛は尻尾の部分から毛材を採取しているため、比較的毛丈の長いブラシの製造が可能となります。
一方、豚や山羊はもともと生えている毛の毛丈が短いため、毛丈の長いブラシの製作が難しくなります。
比較-金額
単価の高い順に並べてみると、「山羊毛」「馬毛」「豚毛」となります。しかしこれはあくまで素材に対する単価の値となり、製品として見たときの価格の違いは、微々たるものとなりますが、大量注文の際には、ご参考になさってください。
まとめ
以上、いくつか説明してまいりましたが、使用用途によって様々な選択が可能となっております。当社が今まで培ってきた様々な現場ごとに適した最良のデータをご提案できますので、お悩みの際はご相談ください。